点字名入れ彫刻ギフト開発 12/25販売開始

令和元年12月25日。新商品『点字名入れ彫刻ガラスマグカップ』の発売を開始します。

ここまで色々な経緯と沢山の方のご協力があり実現に至りましたので紹介させていただきたいと思います。

 

 

 

 

こんな商品が出来上がりました!

オリジナル点字名入れ彫刻ギフト

 

耐熱ガラスマグカップの表側に点字を、裏側に同じ意味の日本語を彫刻しています。

手付きのマグカップにしたのは視覚障碍の方は手付きの方が使いやすいだろう、というアドバイスがあって選定しています。

耐熱にしたことで、温かい飲み物にも使えますので、贈り物としてお渡しした後でも日常的に使っていただけることをイメージしてます。

 

驚きと感動と… 大変な反響をいただきました

 

最終形に至るまで試行錯誤しながら何度も施策を繰り返しました。

そんなさなか、鶴岡市の視覚障碍団体の会長さんの存在を教えていただきました。

 

その頃は試作を作り始めたばかり。技術も知識も浅く半端な状態ではありましたが、早速試作品を作ってみてもらいたい、と考え、陶器マグカップに点字の名前と漢字の名前を彫って仕上げ、会長さんのご自宅に届けていただきました。

 

お届けして下さったお姉様は、「すぐ感想聞いてきてあげるね」と言って下さったんですが…

どんな感想かな。怒られるかな。とドキドキしてました。

 

お昼頃お届けして下さったと思ったら、昼過ぎにはすぐ電話が鳴りました。

『本当にびっくりしました。素晴らしいものを本当にありがとうございます。これは本当に嬉しいです! しかも漢字でも名前が彫ってあって… こんな素晴らしいものは初めてです!』

 

タダでいただくわけにはいかない。お金を払わせて欲しい、とまで…

厳しいアドバイスを期待?していたので、思わぬ反響にビックリ。

と同時に、作った私も本当に嬉しくなりました!

 

後日談ですが、点字としてはもう一歩ではあったようでしたが笑

 

日頃もオリジナルの記念品で多くの方に喜んでいただけていると思っていたのですが、こんなに喜んでいただけたのは初めてのことでした。

 

 

想像もしていなかった感動と感謝の言葉に幸せな気分に浸るとともに、

こんなに喜んでいただける商品をきちんと作れるようにならねば、という気持ちが沸き上がってきました。

 

 

なぜ点字グラスを作ろうと思ったのか

 

7-Colorsは2010年に開業したのですが、開業後に工房を建て、機械設備を導入し、年明けから製作の研修を東京で受講しました。(購入しないと受講できなかった)

研修と試作を重ね。3月に営業を開始。

最初の注文は3月11日の14時、岩手の女性からでした。

 

3/11と言えば… そうです。東日本大震災の発生した日。

記念すべき初注文は結婚の記念品だったのですが、式場が崩壊して結婚式がキャンセルとなった為商品もキャンセルとなりました。

 

日々流れるニュース画像、知人が何人もボランティアに出向き頑張っている姿を見ながら、自分にも何か人様の役に立てることは無いのかと考えました。

 

しかし起業したばかりで資金もなく、借金を膨らませる苦しい日々の中、それでも2人の子供を何とか食べさせていかなければならない現実。

自分には何も出来ない、という無力感を痛切に感じました。

 

 

そして、無力な(お金もない)自分を抜け出し、どんな形でも人様の役に立つことが出来るようにならないといけない、と思うようになりました。

 

けして偉人になりたい、とかそういうことではありません。

人の役に立てるようになるには、まず自分と家族をきちんと養えるようにならないといけない、ということ。

そして”人助けをすること”は凄く尊いことで目指すべきとは思うが、自己犠牲家族犠牲を伴うことが大事なわけではない。仕事を通じて誰かの役に立てるようになることも尊いのではないか、と考えるようになりました。

 

その頃から、自分の仕事を通じて誰かの役に立つこと、人に喜んでいただけることが出来ないだろうか、と思いながら仕事を続けてきました。

 

”逆彫り”からのヒント

 

震災以後、東北の地で結婚需要を見越して名入れビジネスに参入する、ということは非現実的でした。ましてや技術も知識も顧客も資金もなく無謀に起業してます。

 

そこで結婚以外の記念品やアート製作を作ったり、体験教室や体験イベントを開催したりと、他のガラスアート工房と違った活動をSNSを活用しながら地道に拡げていくようになりました。

 

そんななかで知人のアドバイスを受けながら製作したのがガラス瓶を割って作ったアクセサリーです。

当初は形も悪く仕上がりの精度も良くなかったのですが、イベントを開催する度に地元の方にお買上げいただき、少しずつ形を変え、作り方を工夫して他にはない『彫刻ガラスアクセサリー』を作り出せるようになりました。

 

このアクセサリーは、海に落ちているシーグラスをイメージし、丁寧にガラスを削って作っています。

このアクセサリーには、柄の部分を浮かして周りを削りあげる「逆彫り」の技術を用いて彫刻が施されています。

 

”逆彫り”で細かい柄を彫刻し、出来栄えを指で触って確認する中で、「ひょっとして同じやり方で点字も彫れるんじゃないだろうか」と考えるようになりました。

 

鶴岡点字サークルさんとの出会い

 

《点字を彫刻する》

これは誰もやっていないし、社会的にも凄く意義があるんじゃないか。

早速やってみるか。まずは点字とはどういうものなのか、書籍やネットで調べてみよう。

にわか知識程度に勉強し、とりあえず作ってみようか、ということで点字もどきのような彫刻をしてみました。

 

はたしてこの点字は合ってるのか。ちゃんと読み取れるんだろうか。

独学でこれ以上進めるのはやはり無理でした。作ってみたは良いが使い物にならなきゃ意味がありません。

さて、誰に聞いたらいいんだろう?

 

社会福祉協議会や市の職員の方、SNSの友人を通じて情報収集も難航しましたが、ある日広報の記事に点字サークルが紹介されているとの情報を教えていただきました。さっそく「かたぐるま」に連絡しサークルの代表の方に連絡を取らせていただきました。

その時の記事がこちらです。

鶴岡点字サークル

点字は甘くない

 

さっそく点字サークルさんにアドバイスをお願いしたい、とお話ししに伺いました。

行ってみると、女性ばかりのメンバーで和やかに活動されてました。

ちょうど点字団体さんの総会資料をプリントしているところでした。

活字だとA4用紙1枚に収まる情報が、点字の印刷だと数十枚にもなっていることに驚きました。

さらに、活字だと漢字を使っていることもあり、多少の誤字があっても前後の文脈から意味を解釈出来たりすることも出来ますが、点字は1つの用法や字を間違っただけで文章が成り立たなくなってしまうこともあるとのお話を聞かされました。

 

きちんと勉強するならいいが生半可でやってもダメですよ、という厳しいアドバイスもいただきました。

どおりで誰も商品にしていないわけだ。これは相当難しい…と絶望しかけてしまいました。点字は甘くない、と実感させられました。

 

結局皆さん優しくアドバイスして下さったのですが、

それでも文章や用法をマスターするには何年かかっても無理なことが分かりました。

点字彫刻は名前や簡単な文字に限定し、当面は作ったものを点字サークルさんに見てもらって都度アドバイスいただくことにしました。

 

県内初 自動現像・乾燥機の導入

 

点字彫刻をやってみる、と言ったはいいものの、点字のルール、用法が難しいだけでなく、さらにもう一つ大きな壁がありました。

 

点字はわずか1ミリちょっとの小さな点を、等間隔に規則的に正確に並べていかなければなりません。点の大きさ、間隔、深さが少しでも狂うと読み取りが出来なくなります。

 

JIS規格があったのでそれを参考に試作してみたのですが、どうにも読み取りの反応が良くありません。点の規格も書籍によってバラバラで結局どれが正しいのか分からず、いくつか試してもらい最もしっくりくる点の仕様にしました。

 

その点を正確に彫刻出来るか、はまた別のさらに大きな問題です。

 

その頃たまたま商工会議所で”小規模持続化補助金”という助成金の精度を紹介していただきました。中小企業の販路拡大に最高50万円まで補助金が出る、というものです。

 

7-Colorsは”サンドブラスト”という砂を吹き付ける技法で彫刻していますが、文字や柄を彫刻する為に特殊なマスキングフィルムを貼りつける必要があります。

実は今までこのマスキングフィルム、全て手作業で現像し製作していました。

時間もかかる上、フィルム製作の精度にもムラが出てしまいます。

 

このマスキングフィルム製版を自動で正確に短時間で行う機械があることを思い出し、補助金の申請をしてみることにしました。

鶴岡商工会議所皆様の手厚いご支援とアドバイスのお陰で無事採択していただき、山形県では恐らく初となる機械「自動現像・乾燥機」を導入することが出来ました。

 

こうして点字彫刻に必要な精密な彫刻精度の問題が解決できたのです。

 

サンドブラスト マスキングフィルム製作 自動現像・乾燥機

試作品を点字サークル皆さんにプレゼント

 

何度か試作を繰り返し、商品の形が見えてきました。

アドバイスをいただいたお礼と、試作(練習)した彫刻がちゃんと読み取るれるのか確認するために、点字サークルの皆さんに点字彫刻したマグカップをプレゼントすることにしました。

その時の試作がこちらです。

 


トラブル発生。そして完成へ

 

お渡しした試作品。点字サークルの皆さんに大変喜んでいただくことが出来ました!

 

ところが…

なんと肝心の、一番厳しく一番親切にアドバイスして下った先生の分の点字が間違っていたのです(^_^;)

 

データ作成段階では間違っていなかったのですが、彫刻作業の途中で1つの点を消してしまっていたようです。

何とも失礼な話ですが、最後まで何度もチェックが必要なこと思い知らされました。

 

同時に、持ってみると陶器のマグカップが大きすぎて重い、持ちにくいとの声も。

また、陶器は釉薬部分を削り凹凸を出すのですが、釉薬が固く点字の深さを一定に保つのも難しく、ガラス製品でやり直すことにしました。

 

上林先生、ありがとうございました!

 

紆余曲折を経て、ようやく最終段階に差し掛かりました。

 

陶器マグカップはやめて耐熱ガラスマグカップを取り寄せ。

試作してみると点字が一定に彫れる上、点字部分が浮き上がって目立つ上、見栄えも良く仕上がりました。

 

そして最後の試作。

一番お世話になった上林先生にスペシャルなグラスをプレゼントさせていただきました。

表側は点字で名前を、裏側には点字サークルの皆さんの写真を彫刻しています。

まさに世界にひとつだけの本当に特別なグラスが完成した瞬間です。

 

 


多くの方に知ってもらいたい

 

試作品は先生にも喜んでいただくことが出来ました。

写真は苦手という先生とツーショットで記念撮影も。

 

最終完成品で鶴岡市内の視覚障碍者の方に試作をプレゼントしたい、ということと、今後も引き続きアドバイスお願いしたいとお願いしてきました。

 

こうして点字の商品が出来上がりました。

点字のオリジナル名入れ商品はどこにもありません。

差し上げた方から間違いなく感動していただける商品に仕上がったと思います。

 

しかしながら、せっかく良い物が出来てもこれを知る人がいなければお渡しすることも出来ません。

点字名入れ彫刻グラスは、贈る相手の方にお渡しし、喜んでいただいてこそ意義のあるもの。

作っただけで満足してはいけないと思い直し、この度プレスリリースを作成することにしました。

 

出来るだけ多くの方に知っていただき、このグラスを通じて沢山の方に喜んでいただくことが出来れば本当に嬉しく思います。

 

WEBショップからご注文できます

 

 ■点字名入れ彫刻耐熱ガラスマグカップ

  2,800円(消費税・加工料込み)

 ■耐熱ガラスマグカップ 

  外径70mm(取っ手含む101mm)高さ90mm 容量235cc(満杯容量) 

  耐熱ホウケイ酸ガラス※温かい飲み物にお使いいただけます

 ■お届け 通常7~10日で出荷

 ■お値引 5個以上からお値引(全部違う名前でも数がまとまればOKです)

 ■名入れ文字 点字=名前か簡単な文字(10文字程度)

  ※裏側には活字で彫刻します(漢字、平仮名)

 

 点字彫刻耐熱ガラスマグカップは、WEBショップからご購入いただけます。

 https://store.shopping.yahoo.co.jp/7colors-glassart/gt1.html

 

 商品に関するお問い合わせは7-Colorsまでご連絡お願いいたします。

 7-Colors鶴岡ガラスアート工房お問い合わせ