私がガラスアートをはじめた理由


「なんでガラスアートを始めたんですか?」

 

 そう言えばよく聞かれます。 

 前職はお土産店でお店の店長していたりインターネットショップしていたり、販促の企画や商品開発していたり…どう考えても畑違いのお仕事です。

 趣味でガラスアートをやっていたかと言えば、実は一切経験ありません。

 まったくの素人がなぜこの世界に飛び込んだのか、を書いてみることにします。

お客様と信頼しあえる真っ正直な商売がしたい。

インターネットの商売に携わって

 私は前職で長い間インターネットショップに携わりそれなりに売れるようになって全国各地を講演して廻っていた時期もありました。

 インタ―ネットの商売は、地方から全国・全世界に発信出来る素晴らしいツールです。

 しかしながら、インターネットの商売が拡がり、既存商店が疲弊していく姿に、これでいいんだろうか?という疑問を常に感じ続けていまた。

大事なお客様は誰なのか

 インターネットの世界は弱肉強食。検索順位を競い、広告で露出頻度を競い合います。

然的に売上競争、安売り競争に突入し、大手やネットに特化したお店だけが生き残ります。

 地方のショップは地元のお客に目もくれず、首都圏のお客様や富裕層をターゲットと言っては外に外に新規の顧客を求め奔走します。

 実は一番大事なお客様って誰なんでしょう?

自分の身近にいる本当に大事なお客様。家族や親せき、自分を応援してくれる友人や地域の方

を忘れてしまってはいないでしょうか?

地域の人がネットで買う世界

 地方で便利だからと言って、ネットショッピングが浸透するとどうなるんでしょう?

■本は安いからアマゾンで買った

■家電は価格.comで比較してネットで購入

■お米はランキング一位の農家からお取り寄せ

 地域で生み出されたお金は全て県外へと流れます。

 地域で経済が循環しなくなる地域社会がこれから発展していくでしょうか?

 

身近なお客様と地域を第一に考えた商売を目指す

 自分には大事な家族がいて、友人がいて、Facebookでリアルでもつながる大事な知人が沢山います。

必要なものは多少高くても地域の知り合いのお店から求めるようにしています。

その知り合いとつながっていれば7-Colorsを利用して下さることも当然あります。

 地域の身近な方、身近な企業が元気になって地域が盛り上がっていけば、いずれ循環して自分のお店も元気になっていく。

 私はそんな地域社会を描いて行きたいと考えています。 

安心して買い物できるお店に≪お客様へのお約束≫

 インターネットではお客様とお店とのコミュニケーションがほとんど取れません。

 大手さんでたくさん売っているお店ほど、自動応答の仕組みなどが行き届ききちんと対応しているように見えますが、個別に親切な対応は出来るわけもありません。

 7-Colorsは、まず地域で信頼されるお店であることを目指します。地域で信頼されないお店が、顔の見えないネットのショップで信頼されることは出来ないと思うからです。

 個人経営のお店なので、大量の注文を安く、ということは出来ませんが、7-Colorsではお客様に約束出来ることがあります。




①大事な記念日に間に合わせます(在庫ある商品に限りますが)

②デザインなど製作のワガママを全部聞きます(当方の技術が許す限り)

③お客様とのコミュニケーションをおろそかにしません

 (ネットでもリアルでも)

④持ち込み素材・持ち込みデザイン歓迎します。

⑤1個でもオーダー製作対応します。

 

 どれも小さい会社にしか出来ない小回りの良さです。

 7-Colorsは1人のお客様、1個の製作に心を込めさせていただきます。

 どうぞご安心して何でも気軽にお申し付け下さい。







独立起業へ~退職して自分自身を見つめ直す


□前職のお土産屋さんでは、お客様が県外からの観光や帰省の方。インターネットも県外のお客様がほとんどです。地域密着企業を謳い地域を県外に売り出す意義ある仕事ではありましたが、意外にも地域との関わり合いは薄いものでした。


□インターネットの商売は大変な数の商品を出荷してきましたが、売った相手の顔が見えない商売。お店に出て接客していた方が楽しく自分には合っていたようです。


□実は前職を辞める前からガラスアートの仕事を考えていたのではありません。

 辞めてから自分自身をゆっくり見つめ直しました。

 「自分はこの先どんな生き方をしていきたいんだろうか?」

 

□焦ってすぐに転職しなかったのは、この先何十年間、自分の生き方をきちんと描きたいと思ったからです。


自分の生きていく道が見えてきた

 自分を見つめ直す時間はたっぷりとありました。2度とない貴重な時間だったかもしれません。

そして、こんな風に生きていきたい、というイメージが少しずつ見えてきました。

 この生き方を実現していく為の道。

「独立起業してガラスアート」最終的に出た答えはこれ一つだけでした。

 

①地域に根差し地域に深く関わって元気にしていきたい

  人生再出発にあたって、お金を稼ぎ家族を養うということだけを目的とするのであれば、この山形・庄内の地に居続ける理由はありません。

 自分の生まれ育った地。

 慣れ親しんで大好きというだけでなく、年々人口減少して元気がなくなってきている地域をもっと元気にしなければならない。そんな風に考えるようになりました。

 政治家のように大きな力を持った立場での地域活性も方法ですが、地域で一人一人が小さく地道に取り組む活性の道もあるんじゃないか、と。

 外に向けて地域を発信するだけでなく、内側から沸騰するように盛り上がり、自然に外から人が寄ってくる、そんな地域づくりが実現できたら、と思い描くようになりました。

 

②人に喜んでもらうことが自分の大きな喜び

 お土産店の経験で楽しかったことは、買ったお客様ではなく、買って土産をお渡しした相手が喜び、その姿を買ったお客様が喜んで下さる喜びの循環です。ギフト商材特有の事象です。

 自分自身も庄内の食材やお酒の美味しさを知人友人に伝えたくて、人一倍何かを土産として差し上げたり、人の集う場に差し入れしたりしたものです。

 こういった「贈る文化」は特に地方で根強く残る日本人特有の素晴らしい心の文化だと思います。

 地域社会においても、仕事の選定においても、人に喜んでもらうことを自分の大きな喜びに、生きがいにしていこう、と心に決めました。

③一に家族二に自分。幸せ実現の為に他人を幸せにする。

 「店は客の為にある」「お客様は神様だ」

 そんなフレーズに疑問を持ったのは、仕事第一に家族との時間をおろそかにしてしまった自分の反省からでした。

 仕事をがんばって、評価、ステータス、賃金が上がり会社が成長する。とても素晴らしいことのようですが、家族との絆を犠牲に、自分の健康を犠牲にしてまで必要なものなのだろうか。

 再出発にあたって迷いはまったくありませんでした。

「一に家族が大事で自分のぶれない基軸。二に自分の健康。幸せを実現する為に人の役に立つ」 

 

 こう考えるようになると自分の中で全てが丸くおさまります。けしてお客様をおろそかにするのでなく、一番大事な家族の幸せ実現の為に、お客さまを、他人を幸せにする。今までよりも目標と責任が明確となりはっきりとモチベーションにつながりました。

④仕事はやっていて楽しくて仕方がないものに

 人が集まり上下関係のある社会生活において、人とのトラブルや仕事の行き詰まりによるストレスは当たり前な時代。自分自身も少なからず様々な喜びも悲しみも体験させていただきました。

 ストレスがまったくない社会なんてあり得ないのかもしれませんが…

 せめて自分がこの先たずさわっていく仕事(=睡眠時間より長く一日の1/3以上を占める時間)をストレスなく楽しいものにすれば、必然的に人生が楽しくて仕方がなくなる、と考えるようになりました。

 ツライ、キツイ、カセゲナイ。そういうことじゃなくて、大変な仕事でも自分が好きなものなら何時間でも笑顔で続けていけるだろう。

 自分にとって楽しくて仕方ない仕事。見つかった答えがガラスアートでした。



 ◇人に喜んでもらうための仕事

 ◇実は意外とアートが好きだった。絵や写真、美術館巡り

 ◇アイディア・創造性で可能性が広がる

 ◇いろいろな業種の方とコラボしやすい。地域内で連携できる

 ◇庄内地域で同業者がおらずガラスアートの魅力を伝える役目を担える

 ◇自宅で開業でき自由に時間が調整できる

 




最後に、工房立ち上げと同時に掲げた工房の理念をご紹介いたします。

人生における喜びと楽しみ。

家族を大事にするために、地域と仕事を元気に盛り上げる。

そのために楽しみながら仕事をし人の役に立ち、喜びを分かち合っていきたいと思います。



工房理念 「Fun&Joy」

 ガラスアートは、人に感動を与えるビジネスです。

 作品を通じてお客様に喜び(Joyを提供することが最大の目的となりますが、

 先進的で洗練されたアイディアや企画が重視される創造的な仕事である為、

 制作過程においても楽しい(Funものでなければならないと考えます。

 楽しさ(Fun)も喜び(Joy)もお客様と双方向に共有していくものであり、

 「Fun & Joy」があることにより、事業に情熱を持って真剣に取り組み、

 結果として継続・成長していけるものと信じ、事業理念といたします。



7-Colors 名称の由来

 

ガラス(=特にプリズムのような多面体で)は、

光の屈折により、美しく七色に光ります。

 

実際には色の無い透明な素材が、

美しい虹色を演出し私たちを楽しませてくれます。

 

ガラスアートを通じて、

いくつもの素敵な楽しみ、思い出、喜びなど様々な想いを

まるで虹のように輝かせていきたい、

そんな想いを込めて

「7-Colors 鶴岡ガラスアート工房」

という名称にしました。





裏話ですが…

 

※実は長女の名前が「七瑚(ななこ)」と言います。

 娘の名前を名称のどこかに入れたくて無理やりこじつけた由来でもあります(笑)


 高校時代に聞いていたパーソンズの曲「7COLORS」が大好きだったことも自分の中でコレ!と決めた理由でもあります。

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コメント: 2
  • #1

    弥二喜多道中案内人 (木曜日, 05 2月 2015 04:40)

    なかなかの起業理念に敬服至極。おっしゃるとうりです。

  • #2

    7-Colors 鶴岡ガラスアート工房 (木曜日, 05 2月 2015 11:46)

    コメント有難うございます!
    そう言っていただけ嬉しいです。
    有言実行できるよう頑張らねば…